<R-1グランプリ2021>◇決勝◇7日◇大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
ピン芸人日本一を決める「R-1グランプリ2021」決勝が7日、大阪市内で行われ、ゆりやんレトリィバァ(30)が初優勝した。過去4回決勝進出したことがあるが、5回目にして栄冠を手にした。同大会は今回から出場資格が芸歴10年以内に変更されたが、決勝進出者の中で抜群の実績を誇る“横綱”が、参加2746人の頂点に立ってうれし涙を流した。
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ファーストステージをオフィスネタで2位通過したゆりやんが、ファイナルでキャッチフレーズ「クイーン・オブ・やりたい放題」の本領を発揮し優勝した。
ファイナルでは、インタビューを受けている設定で「ダイエットは2年で38痩せました。38グラム…38キロです(笑い)。元々、110キロあって、百獣の王。だからいま、72キロ」とほほ笑んだ。突然ピストルを取り出し撃ってブチ切れ。「38キロ痩せても、まだ72キロあるやんて、思いましたよね」とすごむ。「思てないなら、ええんですけど」と笑顔。再びインタビューに戻ってまたピストルをぶっ放し、また笑う。そしてまたピストルと、思う存分、ゆりやんワールドを展開した。
準決勝をクリアした芸歴10年以内の芸人9人の中で、R-1決勝進出経験があるのはゆりやんだけだった。15年から4年連続決勝進出。15、16年3位、18年準優勝と実績は圧倒的。あと少しで届かぬ栄冠に、過去2年間は「絶対に優勝しなければ」というプレッシャーから不参加だった。
優勝の瞬間は左手で顔を覆い泣きじゃくった。右手も添え、顔を覆った。普段ならここでお約束の「なんちゃって~」が出るが涙は止まらない。「ありがとうございます」と大粒の涙がほおを流れ落ちた。オンライン優勝会見では「小学校の時から見ていて、芸人になってからずっと目指していたR-1に勝ててうれしいです」と笑顔を見せた。
13年のデビューと同時に売れまくった。「同期の皆さんよりチャンスを早くいただいた。15年に勝てなくて次こそと思ってダメ。3回目も4回目も負け、R-1に優勝しないと自分の人生が終わるくらいに追い込まれた」と振り返った。17年「THE W」では初代女王の座に就いたが、18年のR-1後は2年連続不出場。「それからは勝ち負けじゃなくて、シンプルに自分の面白いと思うネタをやった。R-1は死ぬまでに取れればと思ったんですが、今年から10年以内になったので出てきました」。
女性芸人の優勝は第1回のだいたひかる以来2人目。リーダーとしての期待もかかるが「私なんかは引っ張っていけないので、それはできかねます(笑い)」。それでも「目標はアメリカ」と尊敬する渡辺直美(33)に続く意欲を見せた。
優勝後流した涙の真偽を聞かれると「本当です。飾りじゃないのよ涙は~」と中森明菜のヒット曲を口ずさんだ。そして「感謝と替えのパンツしかありません」と、ゆりやんワールドで締めくくった。実力派王者の誕生だ。【小谷野俊哉】
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2021-03-07 21:00:00Z
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