介護に疲れていたという情報もあります。人気歌舞伎役者の市川猿之助さん(47)と両親が自宅で倒れているのが見つかった件で、猿之助さんが「両親が睡眠薬を飲んだ」と話していることが分かりました。
■猿之助さんのファン「つらいです」
18日、目黒区の自宅から意識がもうろうとした状態で救急搬送された市川猿之助さん。猿之助さんの父・段四郎さん(76)と母・延子さん(75)は、死亡が確認されました。
猿之助さんは、自殺を図ったとみられています。
20日、猿之助さんの事務所が「市川猿之助に関して、お客様をはじめ関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけいたしますことを、深くお詫び申し上げます」とコメントを出しました。
本来であれば、猿之助さんが出演するはずだった歌舞伎の公演。客からは、猿之助さんに“エール”が送られました。
猿之助さんのファン 70代:「お元気になって、また(猿之助さんの)舞台が見たいです」
猿之助さんのファン 60代:「どうなるかなと思ってたんですけど、團子さんが代わりにやるっていうので、泣きながら見てます。もちろん、猿之助さんのことも思いますし、代演の團子さんもそうですし、ほかの皆さんも、どんな思いかなと思って。それを思うと、ちょっとつらいです」
明治座の周囲に飾られた“市川猿之助”ののぼりを、写真に収める女性もいました。
猿之助さんのファン 60代:「(Q.なぜ写真を撮っていた?)こういったことが今起きて、猿之助さんは出てないわけじゃないですか。のぼりが立ってるんで、写真に撮っておこうかなと。あれだけ才能がある方なので、この後どうなるのかなというのは正直すごく…」
猿之助さんのファン 親子:「猿之助が二重になって映ってくる。先代・猿之助の子ども(孫)が主役やっているじゃないですか。それが、二重写しになって、つらくなってきました。見ていて」「話のストーリーも、リンクするところがあって。見ていて猿之助さんを思ってしまう」
■猿之助さん「家族会議をした」
家族3人で暮らしていた猿之助さんたちに、何があったのでしょうか。
捜査関係者によりますと、猿之助さんは以下のような趣旨の話をしているといいます。
猿之助さん(捜査関係者から):「家族会議をした」「両親が睡眠薬を飲んだ」
亡くなった猿之助さんの父・市川段四郎さんを知る人は、猿之助さんを引き立てようと奔走する段四郎さんの姿が、印象に残っていると話します。
「かぼちゃのたね」 山田和喜店長:「ご子息の当時亀治郎さん『亀治郎の会』を京都の春秋座でやる時に、段四郎さんは奥様とお2人で来て、『今回、こんな会をするんだけどよろしくお願いします』と。その当時、息子さんが知っていたかは分からないが、陰ではごあいさつに行っているのかなと思った」
猿之助さんの襲名会見でも、息子を思いやる言葉がありました。
父・段四郎さん(当時65歳):「将来的に考えると“市川猿之助”を継いでいくことが、非常に重要なことになってきますので。寂しいとは思いましたが、一つ大人になっていく過程だと思いまして」
会見で猿之助さんは、こんな決意を語っていました。
市川猿之助さん(当時35歳):「一番念頭にあるのは、やはり襲名を通して、個人ではなく歌舞伎というものを末永く守りたい。そのための襲名だということは、僕の中では変わりません」
■段四郎さん…10年表舞台に出ず
週刊誌で報道された、猿之助さんのスキャンダル発覚後に起きた今回の出来事。しかし、新たに一家は深刻な問題を抱えていたことが明らかになりました。
日刊スポーツの文化芸能部・大友陽平デスクは、次のように話します。
大友デスク:「猿之助さんの父親にあたる市川段四郎さんは、歌舞伎役者の方だが、2013年に猿之助さんの襲名公演が行われて、それにも出演されていた。途中で体調を崩して、休演していた」
大友デスクによりますと、段四郎さんは2013年に体調を崩して以降、この10年間、表舞台から姿を消していたといいます。その理由は…。
大友デスク:「詳しい病状とか病名が発表されたわけではなかったが、ご自宅で療養されていたというふうに聞いています」「(Q.ご自宅で療養されていて、介護は猿之助さんがしていたのか)猿之助さんも、もちろんサポートしていたと思うが、基本的には奥様がされていたという形で聞いている」
猿之助さんの母・延子さんは75歳。76歳の段四郎さんを“老々介護”していた可能性があるというのです。
大友デスク:「ある関係者の情報ですと、寝たきりというか、最近では自身で動けなかったのではないかというような情報もありますので。そうなると当然、自分の力も衰えてくる時があるでしょうし、精神的にも。猿之助さんも未婚で、家族はいなかったので、ほかに頼れる人もいなかったのかと」
多忙を極めるなか、介護など両親をサポートしていた猿之助さん。10年という長い年月は、猿之助さんにとってどんな日常だったのでしょうか。
■今後の捜査のポイントは…?
警察の司法解剖の結果、段四郎さんと延子さんの死因は、向精神薬中毒の疑いがあることが分かりました。
死に至るほどの量の薬を他人が飲ませることはできるのでしょうか。
向精神薬を処方する医師は、次のように話します。
ライトメンタルクリニック 清水聖童院長:「睡眠薬として、一般的に処方されている物でしたら、数百錠以上の量を飲まないと致死量にいたりません」「(Q.人に飲まされた?自分で飲んだ?)自分で飲まないと難しいでしょうね」
専門家は、家族3人それぞれが自分の意思で薬を服用した可能性が高いと分析しています。
では今後、警察は猿之助さんに対して、どう接していくのでしょうか。元刑事は、次のように話します。
元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏:「警察は強制的になにか強制力を持って、身柄を拘束することはできませんので。身内、そういった方にお願いするというか、身内の支援という形が必要になると思います。今、精神的にかなりおつらい状態だと思いますので、そういった状態での支援、フォローも必要な状態だと思います」
そのうえで、今後必要になる警察の捜査のポイント、それは…。
佐々木氏:「薬をどこで入手して、いつ入手したのか。どういった形で飲んだのか。そこに関しては、捜査をしなければいけないと思う」
向精神薬を入手するためには、医師に処方してもらうしか方法がありません。警察は、入手経路など詳しく調べていくことになるということです。
厚生労働省は、悩みを抱えている人には、1人で悩みなどを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう、呼び掛けています。
▼「こころの健康相談統一ダイヤル」0570−064−556
▼「#いのちSOS」0120−061−338
▼「よりそいホットライン」0120−279−338
▼「いのちの電話」0570−783−556
(「グッド!モーニング」2023年5月22日放送分より)
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2023-05-22 03:41:15Z
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