将棋の第33期竜王戦3組ランキング戦決勝、杉本昌隆八段(51)対藤井聡太七段(17)の師弟対決が20日、関西将棋会館で始まった。同棋戦で藤井はデビュー1年目の17年に最下級の6組を制すると、18年に5組、19年に4組で優勝して昇級。ランキング戦は負けなしの19連勝中だ。師匠を破ると、史上初の「4組連続優勝」となる。

2人とも決勝進出した時点で2組への昇級を決めているが、決勝トーナメントに進出できるのは勝者のみ。1枚の切符をめぐる、まさに大一番となる。

振り駒の結果、藤井が先手に決まった。午前10時、お互いに深々と一礼し、対局を始めた。藤井はいつものようにお茶を一口飲んでから飛車先の歩を突いた。和服姿で対局に臨んだ杉本は、3四歩と角道を開けた。戦型は四間飛車に決まった。

公式戦での師弟対決は2度目となる。18年3月8日王将戦1次予選で弟子の藤井が勝っている。当時は杉本は七段、藤井は六段だった。約2年3カ月ぶりの師弟戦となった。

藤井は棋聖戦で最年少タイトル挑戦者となり、第1局で勝利。また、王位戦でも挑戦者決定戦に進出し、ダブルタイトル挑戦を視野に入れている。驚異的な進化のスピードで強くなっている。

一方の杉本も弟子の活躍が大きな刺激となり、昨年、順位戦B級2組に復帰、50歳を過ぎても将棋への情熱は衰えることなく、活躍を見せ、「中年の星」と呼ばれている。師弟対決第2ラウンドが始まった。