「週刊文春」が一報を出してから約半年。なぜ、今、会見を行ったのか。 約1時間40分にも及ぶ会見でしたが、とてもシンプルで根本的な質問の答えが出ない。 その結果、会見を通じて渡部さんが伝えたかったことが、いったい何だったのか。それがどんどんわからなくなってしまう。そんな1時間40分でした。 会見のポイントは多々あったかと思いますが、周囲の関係者や渡部さんと同年代の芸人さんから話を聞く中で、僕は会見で最も注目していた部分がありました。 それが相方・児嶋一哉さんに対する言葉です。 11月21日更新のYahoo!拙連載でも「渡部建復帰、そして再生。最大のカギとは」のタイトルで綴ったのですが、今後の渡部さんにおいて、大きなカギとなるのは、相方さんとの関係だと僕はとらえています。 21日の拙連載を抜粋すると、以下のようなものでした。 ●渡部さんのスキャンダルが出た時に、芸人仲間からすると「やっぱり」とまではいかなくとも「さもありなん」という声が聞こえてきた。 ●相方の児嶋一哉さんとのやり取りを知っている同年代の芸人さんらからすると「かなりシビアな考えを持つ人間」という声もあった。 ●共演者やスタッフさん、懇意にしているグルメ仲間は一様にナイスガイと評すものの、近い人間からすると“ムラ”があった。その“ムラ”が最もきつい形で出ていたのが相方への態度。 相方への態度が、その芸人の本質を表す。 あらゆる芸人さんから、異口同音にそういった話を聞いてきました。 渡部さんのスキャンダルがあり、孤軍奮闘する児嶋さん。ドラマに、バラエティーに、これまでよりもさらに出力高く、その能力を発揮されていました。 “片方がつまづいても、もう一方が頑張れば、屋号は廃れない” これはコンビの鉄則であり、今回はまさにそのど真ん中をいく話だったと考えています。 その半年を経て、騒動後初めて自分の声を世間に届ける。そこで渡部さんが児嶋さんにどんな言葉を残すのか。 そこにこそ、この半年の意味があり、これからのカギがある。 そう思っていたのですが、会見では「(相方に)頭を下げさせ、涙を流させ、自分は謝罪しない。それは怒られて然るべきです。相方の姿を見て心苦しかったし、申し訳ない気持ちでいっぱいでした」というような言葉にとどまりました。 もちろん、相方ですし、照れもあるでしょうし、もしかしたら、誰にも知られないところで深い話をしたのかもしれない。 ただ、渡部さんの児嶋さんへの言葉から、僕は厚みや奥行きを感じ取れなかった。新しい渡部さんを見せるべき場で、新しい渡部さんを僕はほとんど見つけられなかった。
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2020-12-03 19:17:06Z
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