吉右衛門さんは常に役の芯にあるはずの「心」をつかみ取ろうとしていた。そのために、若き日は先人の芸をとことんまねた。完璧にできるようになって、回数を重ねているうちに、初代吉右衛門や実父の初代松本白鸚が、なぜその表現をするようになったかがわかってきたという。すると演技がより深まっていく。
そうして会得した役々が「勧進帳」の弁慶、「熊谷陣屋」の熊谷直実、「盛綱陣屋」の佐々木盛綱、「夏祭浪花鑑」の団七九郎兵衛など、得意とした英雄豪傑や悲劇の人物である。
舞台には全力を尽くし、その一点に揺るぎはなかった。この数年は体調不良に苦しまれていた。取材の約束をし、楽屋にお邪魔すると、肩で息をされているようなことがしばしばあった。だがそんな体調不良など一切感じさせない舞台姿を見せた。
千秋楽前日に倒れ、最後の舞台となったのが東京・歌舞伎座「三月大歌舞伎」「楼門五三桐」の石川五右衛門であった。…
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2021-12-01 21:00:00Z
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