フジテレビ系国民的アニメ「サザエさん」（日曜午後6時半）で磯野カツオの同級生、花沢花子の声優を長年務めてきた山本圭子（80）が、29日放送回で最後の出演を果たした。

花沢さんは最初のエピソード「穴子さんの丹前」で開始から約5分後に登場。通学路でカツオに対してお決まりのセリフ「磯野くん～」と、特徴的なダミ声で呼びかけた。続けて「お姉さんに丹前ぬってもらっているんですって？　私には可愛い情報屋がいるの。丹前が出来たら着ているところを見せてね。早く見たいな～丹前を着た磯野君」と会話を続けた。

続く「二人はお見通し」のエピソードでは、カツオがサザエについて、花沢さんの家である花沢不動産に来たシーンで椅子に座って登場。サザエがスカートを再び履くためにダイエットをしているという話題について、花沢さんが発した「あら、そのスカートだったら、うちの母ちゃんも持っているわよ」が、山本の最後のセリフとなった。番組ラストのクレジットでは通常通り「花子　山本圭子」と表示された。

同局はこの日までに、花沢さんの声優が山本から渡辺久美子（58）に交代すると発表。山本は「磯野く～ん！」と大好きなカツオを追いかけるシーンが印象的でパワフルな人気キャラクターを演じてきた。「サザエさん」では花沢さんのほかに「花沢の母」「アナゴ夫人」「マスオの母」らも担当していたが、すでに後任に譲っている。他にも「天才バカボン」シリーズでバカボンを務めるなどの実力派声優だった。後任の渡辺による新しい花沢花子は、11月5日放送の「主婦のいない日曜日」からスタートする。

また花沢花子の声優交代と同時に、磯野家のとなりの住人で波平の囲碁仲間でもある「伊佐坂先生」こと伊佐坂難物役の声優も交代が決定。09年から15年間務めた中村浩太郎から、数々の吹き替えやキャラクターを演じてきた牛山茂へバトンタッチとなる。牛山による新しい伊佐坂難物は、11月12日放送の「夫婦ゲンカ延長戦」からスタートする。

番組は1969年10月5日からスタートし、来年10月に55周年を迎える。