「桐島、部活やめるってよ」で知られる朝井リョウ原作の『チア男子!!』(公開中)。大学一回生の晴希が、親友の一馬の誘いで男子チア部を立ち上げ、チーム結成を目指す感動の青春ストーリーだ。晴希を演じるのは、テレビドラマ「初めて恋をした日に読む話」で髪をピンクに染めた不良系高校生のゆりゆり”こと由利匡平、『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』(19)では女子高生をキュンキュンさせるちょっと強引なイケメン男子高生を演じ、注目の若手俳優の1人となった横浜流星。本作では、友情、絆で結ばれる男子チアチームのメンバーを演じ、新たな魅力を発揮している。そんな主演の横浜と原作者の朝井との対談が実現。男子チアや撮影現場の様子、本作の見どころについて語ってもらった。
「いままでにない感情と共にプレッシャーを感じました」(横浜)
――男子チアにどのようなイメージを持っていましたか?
横浜「実は、このお話をいただくまで知りませんでした。チアは女子がやるスポーツという印象でしたね。撮影に入る前に、モデルになったSHOCKERS(早稲田大学男子チアリーディングチーム)の演技を見に行って衝撃を受けました。力強くて笑顔がキラキラと輝いていて、美しい。『すごいものを見てしまった』といままでにない感情を抱くと共に『これをやらなければいけないんだ』とプレッシャーを感じたことを覚えています」
朝井「私も大学に入るまで知りませんでした。私自身、大学でダンスをやっていたので、大人数でショーを作るという経験があったのですが、初めてSHOCKERSを見た時は『レベルが違う』と感じました。同い年くらいの人たちのはずなのに、こんなものどうやって作っているんだろうと。そもそもアスリートって好きなんです。文章は読む人によって評価の軸が違ってくるもので、価値もそれぞれですが、アスリートは評価の基準が全世界で定められている中で戦っている。単純に“高く跳ぶ”というだけで、もうすごいですよね。誰が見てもすごいと感じられるものに弱いのですが、SHOCKERSはまさにそういうものでした。ただ、その時はまだ男子チアリーディングを題材に小説を書こうとは思っていませんでした」
――そこから小説を書くにいたった経緯は?
朝井「子どものころから青春スポーツ小説が大好きで、しらみつぶしに読んでいたのですが、起承転結はある程度決まっているな、と感じていました。王道の展開の気持ち良さもあるのですが、いざ自分がそのジャンルに挑戦すると決めたとき、もう少し別の色味がほしかったんです。そんなときにSHOCKERSに出会って、まず“人を応援する”ということが競技の中心になっていることに新鮮さを感じました。メンバーを取材してみると、別のスポーツの経験者が多く、この競技を選び取るまでにすでに物語があるなと思いました。そのとき、男子チアリーディングを題材にすれば、これまでの青春スポーツ小説とは少し異なった雰囲気のものが描けるのではと思ったのが執筆のきっかけです」
https://movie.walkerplus.com/news/article/188973/
2019-05-10 09:40:51Z
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