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藤井七段、初封じ手で「新手」脇息の上で赤ペン署名 - ニッカンスポーツ

将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が木村一基王位(47)に挑戦する第61期王位戦7番勝負の第1局が1日、愛知県豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で開幕した。午後6時すぎ、後手の木村が54手目を封じて1日目を終えた。1日目は激しい進行となり、藤井がわずかにリードを奪った。初めての封じ手では「新手」も披露? 藤井は棋聖戦に続く2つ目のタイトル挑戦で、両棋戦で最年少獲得を目指す。

   ◇   ◇   ◇

藤井の2つ目のタイトル挑戦が、地元愛知で幕を開けた。先月下旬の棋聖戦第2局の黒の着物、濃紺の羽織からはガラッと変わり、涼やかな白の着物にライトグレーの羽織姿の“夏仕様”で登場した。

「史上最年長VS史上最年少」。力強い受けで「千駄ケ谷の受け師」の異名を持つ木村に、17歳は切れ味鋭い速球を投げ込み続けた。1日夕、藤井は身体を前後に揺らし、読みを深める勝負どころの53手目、1時間36分考え、1手を繰り出した。

午後6時、立会人の谷川浩司九段が「封じ手時刻になりました」と告げると、木村が54手目を封じて1日目が終了。木村から「最後の1手」を書き入れた封筒を渡された藤井は、封筒に赤ペンでサインした。

2日制の対局、前夜祭、対局会場の検分、すべてが初めての経験。封じ手の場面では、脇息(きょうそく)の上に封筒を置いて赤ペンで署名する「新手」? も披露した。通常は脇息は使わないが、そこは未体験ゾーン。何事も経験しなければ分からない。

王位戦は全国を転戦し、1局を2日かけて戦う7番勝負。昼食には地元の特産品メニューが用意される。この日の藤井の勝負メシは「三河鮮魚の海鮮丼」。地元三河湾でとれた鮮度バツグンの超豪華版だった。地方転戦の「初のおやつタイム」も経験。午前は「ブルーベリータルト」。特製タルトの上に東三河で栽培される甘酸っぱく、みずみずしいブルーベリーが盛り付けられた。午後は豊橋市の名物「どうまい牛乳プリン」。豊橋市の牛乳を使った絶妙の風味がある逸品だ。

1日目は藤井がわずかにリードを奪った。王位獲得3期の深浦康市九段(48)は「藤井さんは緩んだ手が1つもなく、無理なく先手の利を生かして1日目は順調に攻め手をつないだ。2日目は攻めの藤井、受けの木村という構図で、お互いの持ち味が出そうです。焦点は、木村玉を寄せきれるかどうかです」と解説した。対局が“中断”したままの初めての夜。藤井はどう過ごすのか。【松浦隆司】

【王位戦7番勝負日程】

◆第1局 7月1、2日、愛知県豊橋市「ホテルアークリッシュ豊橋」

◆第2局 7月13、14日、札幌市「ホテルエミシア札幌」

◆第3局 8月4、5日、神戸市「中の坊瑞苑」

◆第4局 8月19、20日、福岡市「大濠公園能楽堂」

◆第5局 8月31日、9月1日、徳島市「渭水苑」

◆第6局 9月14、15日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」

◆第7局 9月28、29日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」

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2020-07-01 21:40:29Z
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