アメリカ映画界、最高の栄誉とされるアカデミー賞の各賞の候補が8日発表され、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が、最も重要とされる作品賞をはじめ4つの部門にノミネートされました。
日本の映画が作品賞の候補となるのは初めてのことです。
ことしで94回目となるアカデミー賞の各賞の候補が8日発表され、最も重要とされる作品賞では、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が、10本の候補のうちの1本にノミネートされました。
日本の映画が作品賞の候補となるのは初めてのことです。
また、監督賞の候補にも濱口監督がノミネートされました。
日本の監督がこの部門で候補となるのは、1986年の監督賞の候補となった黒澤明監督以来です。
さらに、脚色賞の候補には、共同で脚本を担当した濱口監督と大江崇允さんが選ばれたほか、国際長編映画賞の候補にも選ばれ合わせて4つの部門でノミネートを果たしました。
「ドライブ・マイ・カー」は村上春樹さんの短編小説が原作で、妻を亡くした舞台俳優で演出家の男性が、専属ドライバーの女性と出会いともに過ごすうちに、目を背けてきた妻の秘密と向き合う物語です。
去年、フランスのカンヌ映画祭で脚本賞を受賞したほか、先月にはアメリカのゴールデングローブ賞で非英語映画賞を受賞するなど、国際的に高い評価を受けています。
アカデミー賞の4つの部門でのノミネートについて、アメリカの映画関係のメディアは「国際長編映画賞の候補になることは予想されていたが、各主要部門に入ってきたことは驚きだ」などと速報で伝えています。
アカデミー賞の発表と授賞式は来月27日にロサンゼルスで行われます。
西島秀俊さんら4人の出演者がコメント発表
このうち、主演を務めた西島秀俊さんは「世界の分断から人々が繋がりを取り戻す希望の道標が、この美しい魂の再生の物語には示されています。この嬉しい報せと共に『ドライブ・マイ・カー』がより一層多くの方々に届く事を願っております」とコメントしています。
また、寡黙なドライバーを演じた三浦透子さんは「日本映画の代表としてアカデミーの舞台に臨めること、本当に名誉なことと思います。そしてそのような作品に関わることができた自分は、幸せ者だなと改めて実感しています。感謝の気持ちでいっぱいです」とコメントしています。
作品の中で俳優の役を演じた岡田将生さんは「この作品に関わったすべての方々、本当におめでとうございます。これをきっかけに更にこの作品がたくさんの方々に見ていただけたら嬉しく思います」とコメントしています。
そして、主人公の妻を演じた霧島れいかさんは「素晴らしい報告にやったー!と声をあげガッツポーズをしました。この作品が国を越えてたくさんの方の心に響いているということなんだと、感謝と嬉しい気持ちで溢れています」とコメントしています。
映画評論家「ごく普通のよさある」
また、この作品が世界的に評価されていることについては「誰もが持っている気持ちが映画にこもっている。主人公の演出家が妻を亡くしたあとの心の変化がよく描かれていて3時間近くの長さでも飽きずに安心して見ていられる。特撮のない時代の『ごく普通の映画』のよさがあり、人の気持ちを大切にした作品だと感じた。今回のノミネートが、日本の映画業界の刺激になればいい」と話していました。
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2022-02-08 15:53:33Z
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