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PCR検査を受けた時期で明暗?石田純一さんと岡江久美子さんの新型コロナ感染はどのように報じられたか(水島宏明) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

 女優の岡江久美子さん(63)の突然の訃報には多くの人が衝撃を受けたと思う。

 岡江さんのような有名人が死去した際にテレビのニュース番組や情報番組が報じるべきことは何だろうか。

 もちろん故人の業績や成果、在りし日の思い出などを振り返ってその死を悼むことは大切だ。

 だが、この社会で日々起きている様々な出来事を一般の人々に伝える「報道」の仕事では、ぞれだけでは不十分なのではないか。

 特に亡くなった原因が新型コロナという、いまも正体が不明で特効薬が見つからないまま感染が拡大するウイルスである場合にはなおさらそうだ。

 いま新型コロナウイルスの市中感染(一般的な場所での感染)がじわじわと、しかもはっきりしたデータもないままに広がっている実感がある。

  そうした中で芸能人だった岡江久美子さんの死去。私たちはその意味をどう考えるなのかべきか。教訓はあるのだろうか。現在わかっている事実から何か読み取れることがあるのだろうか。

 訃報が駆けめぐって一夜明けた4月24日(金)、テレビ各局のワイドショー(情報番組)はどのように扱ったのだろうか。

 

 新型コロナウイルスの怖さを改めて突きつけた岡江さんの突然の死。

 このウイルスを「正しく怖がる」ためにもそれぞれの番組のアプローチを検証していきたい。

 ちょうどこの日、いくつかの番組は、新型コロナ肺炎で入院している俳優の石田純一さん(66)がアビガンの投与で回復しつつあることも伝えた。

2人の芸能人の明暗を分けたものは何だったのか

 筆者は以下の3つの点に着目してワイドショーの報道姿勢を比較した。

 その上で着目した点を完全に満たしていると評価できる番組は◯、半分くらい満たす番組は△、満たさない番組は×をつけた。

(1)岡江さんが乳がん治療で免疫低下して新型コロナ肺炎が一気に重症化した可能性に注目して専門家の見解も交えて伝えたか?

 岡江久美子さんが昨年乳がんの手術を受けて、その後に放射線治療を受けて免疫力が落ちていた可能性があることは多くの番組が伝えた。

テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』

 事実上のレギュラー出演者となっている岡田晴恵・白鴎大学教授(医学博士)がスタジオでコメントした。

(岡田晴恵教授)

「63歳で乳がん治療で放射線治療をやっているとなると免疫はかなり抑制されていたのだろうと。

ですから63歳と比較的高齢でそれから(乳がんという)基礎疾患があるわけですね。

岡江さんのような(条件の)人は日本中にいっぱいおられるわけです」

日本テレビ『スッキリ』

 ただし、番組に出演した感染症の専門医(日本感染症学会専門医・佐藤昭裕)は、放射線治療のために免役低下して重症化しやすくなったとは必ずしも言えないという見解だった。

TBS『グッとラック!』

 岡江久美子さんがかつてこの番組枠の前身である『はなまるマーケット』の司会をやっていたため、ふんだんな過去映像を使って彼女の業績を振り返るトーンが他の番組より強かった。

 乳がんと放射線治療についてはVTRの中で触れてはいたが、それ以上の詳しい説明はなかった。

フジテレビ『とくダネ!』

 この番組には司会の小倉智昭や笠井信輔アナウンサーというがん闘病の経験者が出演者の中にいる。

 それゆえ、乳がんという基礎疾患や放射線治療との関連は大きな関心事だったようだ。

 呼吸器や感染症に詳しい二木芳人・昭和大学医学部客員教授が解説した。

{{{:

(二木芳人・昭和大学客員教授)

「初期の乳がんの手術ですから、おそらく根治、全部がんが取れていたんだろうと思います。

念のために放射線で目に見えない転移があってはいけないと少し散らしておいたと。

で、期間が短いんですね。放射線療法も2週間か3週間ですから、放射線を当てますと、たとえば肺にそれがかかると肺にダメージが出ることがあるんですが、それほど強いダメージは岡江さんの場合はなかったのではないか。

確かにその影響は否定できませんが、むしろ、この病気の本質というか、急激な悪化が思いがけないタイミングで起こると。それが岡江さんにとっては非常に残念な結果になったと考えるべきだと思います」

}}} 笠井信輔アナは血液のがんである悪性リンパ腫での入院先の病院から、岡江さんのケースについて他人事ではないとコメントした。

 笠井アナのブログには通院してがん闘病中の人たちからコロナウイルスへの不安を訴える声が数多く寄せられている。

(2)アビガンを服用して回復したという石田純一さんなどアビガンの投薬効果を専門家の知見を交えて報道したのか?

テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』  ◯

 番組では先週から新型コロナで入院していた俳優の石田純一さん(66)が前日にラジオ番組が放送した病床インタビューでの肉声を放送した。

 石田さんはまだ症状が続いているのかかすれた声で話していた。

 (石田純一さん・文化放送『斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!』)

「東京から出るべきではなかったという部分でホテル側にも大変ご迷惑をおかけしてしまったということ、沖縄の人たちに非常に不快思いをさせてしまったことを、もう本当に反省しております」

(石田純一さん)

「実は沖縄から帰ってきた次の朝に初めて平熱を超えたんですね。

だからこれはまずいっていうことで」

 石田さんは医師から治療薬のアビガンの投与を勧められたという。

(石田純一さん)

「4月15日にはもう完全ダメだと。熱も38.8℃とかありまして。

そのときから(医師から)『一刻も猶予がないのでアビガンで行かないか』というふうにお話をいただきまして。そのときは本当に1回2回は大量投与だったですね。呼吸とかも弱くなってきたもんですから、いろんな意味でやっぱり、もう猶予もないということで」

 アビガンで症状が改善したと話す。

(石田純一さん)

「おかげさまでアビガンが効いてですね。

その後、本当に悪くなることもなく、そんなに急激に劇的に回復はしてませんけど、なんとか小康状態。

4日間で平熱ぐらいまでは来ました」

 このVTRを見せた後でスタジオで岡江久美子さんの死去について、岡田晴恵白鴎大学教授がコメントした。

(岡田教授)

「ですから早くに検査して、そして重症か阻止で、アビガンなどの投与をこういう人にこそという大切なメッセージを遺してくださったのかなあ。

でも様子を見るという時点で、アビガンは錠剤ですので、渡せていれば石田純一さんのように亡くなったりというようなことを回避できて、石田さんのように回復されたのではないかと思います」

日本テレビ『スッキリ』×

 石田純一さんはまったく登場せず。アビガンも言及なし。

TBS『グッとラック!』×

 石田純一さんはまったく登場せず。アビガンの言及なし。

フジテレビ『とくダネ!』

 石田純一さんは登場しなかったが、アビガンについて言及した。

 番組では岡江さんのケースについて「アビガンを使用していたら?」という仮定と「もっと早くPCR検査を受けていたら?」という仮定の2つはセットだとして取り上げた。

 新型コロナ肺炎の初期症状が風邪の症状と区別しにくために難しいのだと、この番組の専門家である二木芳人・昭和大学客員教授は繰り返した。

(二木芳人・昭和大学客員教授)

「症状が軽いと、どうしてもちょっと様子をみましょうとなる。それで熱が上がってくるとか、他の息苦しさとか、症状が出てきてレントゲンとなるので、どうしても3日くらい様子をみますね」

 検査をやりたくてもできない状況が日本では続いている、と番組では説明する。

 (韓国などのように)疑わしきはすべて検査というのは、やりたくてもできないのが日本の現状だという。

(小倉智昭キャスター)

「アビガンを使って発熱が治まったという人がかなり出ていますが、いまはまだ試験的に使っている段階だと思うんですが、ただ新型インフルエンザの治療薬として開発されたんだったら、まだコロナの陽性という判断は出ていないけれど、いまコロナの可能性があって熱があるんだったら、アビガンを呑ませようととか、あるいはお医者さんに頼んで呑ませてください、ということはできないんですか?」

(二木芳人・昭和大学客員教授)

「ただ単に有効性だけでなくて、こういう薬を使うときには安全の保障もないといけない。アビガンに関しては女性の生殖にかかわる副作用がうたわれていますし、それからインフルエンザに使う場合よりも量が少し多いものですから、そうするとインフルエンザのときに調べた範囲外の副作用がある場合もありますので、今はちょっと慎重に使って安全性を保証した上でないと広く使うというのは難しい

 ここで注目すべきは『モーニングショー』の岡田晴恵教授と『とくダネ!』の二木芳人客員教授ではアビガンの使用についての見解がまったく違う点だ。

(3)岡江さんが発熱後に医師から4~5日間、自宅で様子をみるようにと指示された対応について注目しているか?

 岡江久美子さんの場合の新型コロナに関する病状の推移は以下のようになる。

【岡江久美子さんの容態の推移】

・4月3日に発熱

医師「4~5日間様子をみるように」

・4月6日 容態急変

入院 集中治療室で人工呼吸器装着

入院後にPCR検査→陽性

(治療)

・4月23日 午後5時20分死亡

テレビ朝日『モーニングショー』

 番組は岡江久美子さんが医師の診察を受けて「4日間、自宅で様子を見るように」指示されたことにこだわった。

 コメンテーターの長島一茂が「様子をみる」という対応で本当によかったのかと問題提起した。

(玉川徹)

「一茂さんが言った、4日間様子をみるようにと言われた。関係者も『もう少し早くPCR検査ができれば』という話もあった。

ちょっと疑問なのが、ここに来て、専門家会議のメンバーから『4日間様子を見ろなどということは言っていない』という話が出てきているんですね。ずーっとわれわれ『4日間、様子を見る』ということを番組の中でも伝えてきた。

『4日間。経過をみてほしい』というふうに専門家会議のメッセージだと取られてきたけど『そうじゃなくて…』という話がいまになって出てきてるんですよ。これ、いったいどういうことなのかなと。

ここも検証しなくちゃいけない部分だなと私は思っています」

(羽鳥キャスター)

「私の理解としても4日間(様子をみる)。非常に苦しい方はすぐ。あるいは高齢の方は2日間という認識なんですけど。これ岡田さん、どういうことでしょう?」

(岡田教授)

「私もそのように公式に出ているものと存じ上げております。

だから、もしかすると専門家会議はそう言ってなかったとか、行政と違うのかなんかわかりませんけれど。

これ検証は玉川さん、よろしくお願いします

 『モーニングショー』で玉川徹や岡田教授が言っていることを整理すると次のようになる。

 岡江久美子さんは発熱したときに医師から「4~5日間、様子をみるように」と言われ、その指示を守って自宅で待機している間に症状が悪化した。3日後に急変して入院したときには集中治療室で人工呼吸器をつけたというから、その時点ではすでに重症になっていた。

 もし発熱したときにすぐPCR検査を受けていれば陽性と判明して、まだ軽いうちにアビガンを服用していれば助かった可能性があったのではないか。

 医師が「4~5日間、様子をみるように」と指示した背景には、国の新型コロナウイルスの受診マニュアルがある。

 そのマニュアルは専門家会議の提言を受けて作られているはずだが、実は専門家会議はそうは言ってなかったという情報があるというのだ。

 厚生労働省のホームページをたどっていくと「国民の皆さまへ(新型コロナウイルス感染症)」というサイトがあり、そこに新型コロナウイルスが疑われる患者についての「相談・受診の目安」が書かれている。

相談・受診の目安

次の症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。

・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。

(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)

・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。

※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、風邪の症状や37.5℃以上の発熱が2日程度続く場合、又は強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合

出典:厚生労働省ホームページ「国民の皆さまへ(新型ウイルス感染症)」

 羽鳥や岡田が言う通りで高齢者や基礎疾患等のある人間でなれければ、「37.5℃以上の発熱が4日以上続いている」状態で初めて、PCR検査への道が開かれることになる。

 岡江久美子さんを診断した医師はこの手順に従った対応をしただけだった。

(とはいえ、乳がんという基礎疾患があったことを医師は知っていたのか、という問題は残る)

 この数日、埼玉県で「軽症」とされて自宅で様子を見ていた人が相次いで死亡していることを見ても、こ「相談・受診の目安」ではこぼれ

落ちてしまう人が出ている現状がはっきりしつつある。

 そうすると厚労省のこの受診マニュアルを見直す必要が出てくる。また専門家たちはどう言っているのか、それがマニュアルにどように反映されるのかということは注視していくことは報道機関としての大きな役割だ。

 『モーニングショー』で玉川がそれを検証していくと公言したことは、ジャーナリストの覚悟の示し方として好ましいものだと思う。

日本テレビ『スッキリ』  △

 一般の人の4日以上と高齢者・基礎疾患などがある人の2日程度という目安を示したが、『モーニングショー』のようにこの目安を疑問視する姿勢は示さなかった。

TBS『グッとラック!』

スタジオで北村義浩・日本医科大学特任教授がコメント。

(立川志らく)

「最初の頃は3日、4日は自宅でおとなしくしていた方がいい、というのはこの番組も含めていろいろな情報番組で伝えていた。おそらくそれで『4~5日様子をみるように』と言われ、岡江さんも従っていたんだと思います。本当に急変、自分が本当に体調が悪い時に3日、4日、家にのんびりしているのがいいのか、すぐに病院に行った方がいいのか? どっちなんですか」

(北村義浩特任教授)

「基本的には、とても強い倦怠感や息苦しさがあればずっと自宅待機ではなくて、病院に行く、あるいはかかりつけの医師に連絡した方がいい。

時々、我慢強い人とか、あるいは救急車呼ぶのもはばかられると遠慮なさって行かない人もおられるでんすが、

この間の専門家会議の発表でも今までただ4日間、様子をみてください、と強調しすぎたせいでこういう(岡江久美子さんのような)事例が増えてきたのでやはり、その4日間の間であっても、強い倦怠感、息切れを見逃さずにぜひ早めに受診する方がいい」

「また、これ(岡江さんのケース)は4月3日のことなので、地区によってはすぐにPCR検査をしましょうと、発熱外来を設けている地域や医師会もありますので、かかりつけの医師の忠告によってはすぐに検査しましょうという流れもあります。

そういう場合は本当に躊躇せず、昔の情報というのでしょうか。情報はころころ変わりますので地域によってはすぐ、広場にテントがあるとか、そこにPCR検査に行ってくれ、という指示が出る場合もあるので最新の情報を手に入れてほしい」

(厚切りジェイソン)

「倦怠感とか言われてもピンと来ない。何かの機械とかで測ることはできないのか?」

(北村特任教授)

「指先にクリップみたいな機械で『パルス・オキシメーター』というものがあります。

体の血液の中に流れている酸素の濃度を測ることができます。上限が100%で、健康な人だと95%以上になるんですが、身体の酸素を取り入れる力がだんだん弱ってくると、90台の前半。で、肺炎という疑いはそれが90未満になってくる。そうなってくると肺炎の疑いということになってくる。

これは明らかに客観的な数値として出ますので、高齢者や基礎疾患と呼ばれる持病を持っている人はコロナが非常に流行っている地域に住んでいる人は念のため、ご家族や本人のために用意してもいいのかなとは思います。通販でも購入可能です」

 北村特任教授が示した「パルス・オキシメーター」は、実はこの日のテレ朝『モーニングショー』の中で長嶋一茂が使用していることを明かしていた。北村特任教授は4日間を待たずとも息切れなどがあれば早めに受診してPCR検査を受けるべきだとして、さら地区によってはPCR検査を受けやすくなっている地域も出てきたと説明している。本来はそうした地域が広がっていくことが望ましいという見解だ。

フジテレビ『とくダネ!』

 番組では岡江さんの治療経過をパネルに示した上でどこでどう介入すれば助けることができたのかを感染症の専門家である二木芳人昭和大学客員教授に尋ねている。その答えは「現状では難しい」というばかりだった。

(二木客員教授)

「難しいですね。おそらく岡江さんは肺炎があったと思う。早い段階で熱が出たものの37.5℃までの比較的軽微なものであれば私が担当医でも『様子をみましょう』と言ってしまいます。仮にがんの手術をした後だとわかっても。でも、おそらく、そこで画像診断、レントゲンやCTを撮ったりすれば、あるいは軽微が肺炎があったかもしれませんよね。

ですから、そこでコロナを疑って、あるいは肺炎を疑って、そういう(PCR)検査をしてれば、ということはありますけけれど、通常は高熱が出ました、ということで初日からレントゲンを撮るということをしませんので、もし今後、コロナがもっと一般的な病気になって、そういうような可能性が示唆されるとすれば、(発熱して最初の診断をした)そのタイミングで何かコロナを疑わせるような検査ができるようになれば、その時点でそのアプローチもできるかもしれませんが、今の時点では大変難しいですね」

 こうした話で終わっていたが、小倉キャスターも番組のスタッフは納得したのだろうか?

 結局のところPCR検査とアビガン投与についてどうすればいいのか。質問に対する明確な回答とは思えないような説明だった。

 こうやって平日の午前中の情報番組を比べてみると、番組側のアプローチにそれほど大きな違いがあるわけではない。 

 番組側の問題意識はそれほど変わらない印象なのに結果的に違いが出てしまうのは、登場する専門家の発言の内容だ。

 『モーニングショー』の岡田晴恵教授と『とくダネ!』の二木芳人客員教授は、いわば政府の専門家会議を批判しながら前進を促す「改革派」とこれまでやり方を踏襲する「守旧派」と言っていいほど開きがある姿勢の違いがあった。どうしても番組スタッフや番組出演者は素人なので専門家から専門的なことを断定的に言われるとそこで押し黙ってしまう傾向がある。だが、専門家を上手に使って自由に発言させているように見せて制作側のイメージした番組進行になっているか、専門家が言いたいことを言うだけで番組をスタッフが番組をコントロールできていないのか、結果的には大きな違いがあった。

 さらに番組によって違っていたのは芸能人の死去のときに、過去の番組映像を駆使してその人柄や功績を振り返る方向に傾くかどうかという点だ。TBSの場合、岡江さんがかつて司会をしていた『はなまるマーケット』が若手アナを育てる場所になっていたというエピソードから、思い出映像がふんだんに放映されて世話になったというアナウンサーたちが登場して涙をこらえるという演出に力点が置かれていた。その分、どうしても新型コロナの検査の課題や死者を出さないような治療の仕組みをどうするかが二の次になっている印象があった。志村けんさんの死去の際も新型コロナ肺炎の重症化の背景になったのがヘビースモーカーだったという喫煙歴と途中からの禁煙についてどの程度触れるのかという違いが番組によって現れていた。

 亡くなった岡江久美子さんと回復途上にあるという石田純一さんのケースを比較してみて、PCR検査のあり方や国の受診マニュアルのあり方について明確な形で議論したのは『モーニングショー」だけだったが、昼のワイドショーであるTBS『ひるおび!』も新型コロナウイルスに感染した2人について同時に言及していた。

TBS 『ひるおび!』

(恵俊彰キャスター)

「いやあ、つらいなあ、きのう、この訃報を『ゴゴスマ』を見ながら知ったんですが、ちょうとその最中に石田純一さんとメッセージのやりとりをしていまして、『アビガン、効いてるらしいですね?よかったですね。早く帰ってきてください』とメッセージを打ったら、『待っててください!』と返事が返ってきて、そのときにこの岡江さんの訃報が字幕で流れまして。石田さんに即『石田さん、大変なことになりました。岡江さんが!』と打ったら、『えーーっ!」というメッセージで。

そしてしばらくしてから『諸行無常だね。はかないね。コロナは怖いね』と返信がありました。

いまだに信じられないんですけど」

 『ひむおび!』は岡江久美子さんの死去と石田純一さんがアビガン投与で回復したことをつなげて、早期の検査で分かっていれば岡江さんにもアビガンの投与で治療ができた可能性があるかを専門家たちに聞いていた。

(1)の放射線治療が免疫力低下につなげた可能性について出演した医師たちは一様に否定した。

(濱木珠恵・ナビタスクリニック新宿院長)

「岡江さんの件について言うと首藤昭彦先生(国立がん研究センター中央病院乳腺外科長)もおっしゃっていたように特別に免疫が下がっている状態ではなかったと思うんですね。逆に言うと、誰でもこの状態になりえた話だと思います。なので病気をされているということに特化された話ではなく、誰でも起こりうるので、まず、うつさないようにする。うつらないようにする。もしかかってしまったときには検査、治療への流れをどうスムーズに持っていくかという2つのことが課題としてあげられると思います」

(恵俊彰キャスター)

「いま日本にも乳がん患者はたくさんいらっしゃると思うけど、そうした方々がどう向き合えばいいのか。

早くPCR検査をする体制があった方がいいのか。

アビガンを投与する体制があった方がいいのか?」

(首藤昭彦・国立がん研究センター中央病院乳腺外科長)

「現在、アビガンを投与するためにはコロナウイルス陽性という診断がついていないといけない。

そういうところでもう少し(PCR検査をやって)診断を早くしてもいいのかなという印象はあります」

 『ひるおび!』も登場した専門家の意見として番組から提言する方向性は『モーニングショー』とほぼ同じものになった。

 石田純一さんと岡江久美子さん

 2人の芸能人の明暗から、新型コロナウイルスについて対策を具体的に改善していこうと模索したのは、この2つの番組だけだった。

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2020-04-24 14:04:27Z
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