先月28日に71歳で亡くなった世界的音楽家・坂本龍一さんは、音楽の力で、東日本大震災の被災地を励まし続けた。宮城県内で関わりを深めた人たちも死を悼んだ。
坂本さんは震災で壊れた学校の楽器の修復に尽力した。県農業高校(名取市)で海水につかり、がれきに埋もれたピアノは2012年1月、坂本さんの訪問をきっかけに取り出された。
坂本さんは、廃棄される予定だったピアノの音を自身の曲に使い、その後、引き取ってアート作品に生まれ変わらせた。持田さんは、「がれきのピアノが素晴らしい作品になったことが希望になった。ずっと被災地を見守ってくれた坂本さんとの思い出は決してなくならない」と話した。
被災地での楽器修復の活動が縁となり、坂本さんは15年に発足した「東北ユースオーケストラ」では代表・監督を務めた。岩手、宮城、福島の被災3県の小学生から大学生まで約100人が所属し、練習や合宿にも積極的に参加したといい、1期生として小学5年で参加した鈴木南美さん(18)(利府町出身、バイオリン)は、「いつも明るくて優しく、音楽が大好きな方だった」としのんだ。
同オーケストラの演奏会が東京であったのは、亡くなる2日前。坂本さんはオンラインで視聴し、メッセージを寄せた。「Superb! Bravissimo(拍手×5)素晴らしかった!! よかったです。みんなありがとう(拍手×3)お疲れさまでした♪」
この春、音大に入学した鈴木さんは坂本さんの死を「言葉にならない」と悼みながらも、「(坂本さんから)学んだ『みんなで音楽を作る楽しさ』を、大学でも生かしたい」と誓った。
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2023-04-04 05:00:00Z
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