2024年2月1日 16:00
キネマ旬報社が選出する「2023年 第97回キネマ旬報ベスト・テン」が発表された。
日本映画第1位は、阪本順治監督が黒木華を主演に迎えた青春時代劇「せかいのおきく」。江戸時代末期、厳しい現実にくじけそうになりながらも心を通わせることを諦めない若者たちの姿を、墨絵のように美しいモノクロ映像で描いた。
外国映画第1位は、「イン・ザ・ベッドルーム」「リトル・チルドレン」のトッド・フィールド監督が16年ぶりに手がけた長編作品「TAR ター」。ケイト・ブランシェットが主演を務め、天才的な才能を持った女性指揮者の苦悩を描いた。
文化映画第1位には、関東大震災直後の東京を記録した映像と、それを撮影した男たちのドキュメンタリー「キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る」が輝いた。
主演女優賞は趣里(「ほかげ」)、主演男優賞は役所広司(「PERFECT DAYS」「ファミリア」「銀河鉄道の父」)が受賞し、コメントが発表された。役所が同賞を受賞するのは4度目。個人賞もそれぞれ発表され、塚尾桜雅(「ほかげ」)は史上最年少となる8歳で新人男優賞を受賞した。
なお、ベスト・テンの2位以下の作品と各個人賞の詳細は、2月5日発売の「キネマ旬報2月増刊2023年キネマ旬報ベスト・テン発表号」に掲載される。受賞一覧、コメントは以下の通り。
【作品賞】
■日本映画ベスト・テン第1位:「せかいのおきく」
(監督:阪本順治/配給:東京テアトル、U-NEXT、リトルモア)
■外国映画ベスト・テン第1位:「TAR ター」(監督:トッド・フィールド/配給:ギャガ)
■文化映画ベスト・テン第1位:「キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る」
(演出:井上実/配給:記録映画保存センター)
【個人賞】
日本映画監督賞:ヴィム・ヴェンダース 「PERFECT DAYS」
日本映画脚本賞:阪本順治 「せかいのおきく」
外国映画監督賞:トッド・フィールド 「TAR ター」
主演女優賞:趣里 「ほかげ」
主演男優賞:役所広司 「PERFECT DAYS」「ファミリア」「銀河鉄道の父」
助演女優賞:二階堂ふみ 「月」
助演男優賞:磯村勇斗 「月」「正欲」「渇水」「最後まで行く」「波紋」「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 運命」「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 決戦」
新人女優賞:アイナ・ジ・エンド 「キリエのうた」
新人男優賞:塚尾桜雅(つかお・おうが) 「ほかげ」
読者選出日本映画監督賞:瑠東東一郎(るとう・とういちろう) 「Gメン」
読者選出外国映画監督賞:マーティン・スコセッシ 「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
■主演女優賞 趣里コメント
歴史ある賞をいただき、とても光栄です。自分の中では何一つ変わらないのですが、お陰様で、自分にできることをやって皆さんに「よかった」と言っていただければそれでいい、と思える一年となりました。
■主演男優賞 役所広司コメント
今年も素晴らしい俳優さんたちが活躍された中で、世界の中でも長い歴史を持つ「キネマ旬報賞」を4度目の受賞、本当に幸運な男だと思います。良い脚本と良い監督が存在しなければ俳優一人では何も出来ません。この出会いと今まで自分に影響を与えてくれた沢山の人達に心から感謝します。
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2024-02-01 07:00:00Z
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