2024年2月11日 18:04
東映は2月11日、都内で会見を行い、垣根涼介氏の歴史小説「室町無頼」(新潮文庫刊)を映画化すると発表した。公開日は2025年1月17日。会見には、主演を務める大泉洋をはじめ、共演する長尾謙杜、北村一輝、堤真一、松本若菜、柄本明、監督・脚本を務める入江悠が出席し、昨年12月にクランクアップしたばかりの本作について、手応えを示した。
室町、応仁の乱以前の京。大飢饉と疫病の連鎖で、混沌とした世の中に、風のごとく現れ、巨大な権力に戦いを挑む者たちがいた。日本史上、初めて武士階級として一揆を起こした蓮田兵衛と、彼の元に集結した“無頼ども”の知られざる戦いがドラマチックに描かれる。
主人公の蓮田兵衛を演じる大泉は、タイトルが記された掛け軸を掲げ「荒廃したカオスな時代に無頼が現れる。聞くだけでワクワクするし、50歳でここまで大きなスケールの時代劇に関われるのは、役者として心躍るものがあった」と声を弾ませ、「史実上、たった一度だけ登場する人物。必死に時代を生きて、時代を変えようとする男たちがカッコ良く、女性たちは美しい」とアピール。「台本を読み終わった後の痛快さが大きかったし、どこか閉塞感や違和感がある現代にも通じる物語」だと語った。
東映の京都撮影所で大規模な撮影が行われ、大泉は「一揆のシーンは、(エキストラを)何人呼んでんねんって(笑)。カットの声も、隅っこのエキストラさんには聞こえなくて」と回想した。また、「監督がずっと『マッドマックス』を見ていて、そこ目指しているのって(笑)」と明かすと、入江監督は「室町を舞台にした映画があまりなくて、手探りで『マッドマックス』にたどり着いた」と説明。「東映の時代劇を京都で撮れるのは、特別なことで幸せ。参加してくれた、のべ数千人のエキストラさんにも改めてお礼を言いたい」と話していた。
アクションも大きな見せ場となっており、大泉は「脚本のト書きを読んで、これ、どうやって撮るのって(笑)。やってみると、思いのほか“人力”で、ある意味、いまの時代では贅沢。でも、もう少しCGを使うとか、少し工夫ないのかな(笑)。我々が大変な映画でした」と苦笑い。さらに、クランクイン当日に、木刀の振り下ろしを100回行ったといい「腕がパンパンだった」と苦労を振り返った。
長尾は、棒術の達人に成長する孤独な青年・才蔵を演じ、「初めてのアクションで、驚きも大きかった。刀じゃなくて、棒なんだって(笑)。長さも6尺(約180センチ)あって、振れるようになるまで難しかったですし、シーンの3分の1くらいは、ふんどしなんです」と新たな挑戦を振り返る。大泉からも「長尾くんのアクションが本当にすごい!」と太鼓判。同時に「この映画、長尾くんの成長の物語です。東映は『大泉さんが主演で……』って言いますけど、実際には長尾くんの映画で、途中からだんだん腹立ってきて(笑)」と“大泉節”で笑いを誘った。
骨皮道賢を演じる堤も、アクションに苦戦したといい、「台本上は、大した殺陣がなくて。大将なので、馬に乗っていればいいはずだった」と告白。実際には、大泉との“一騎打ち”を撮影することになり「今年還暦ですよ! 腰が痛くて痛くて。オフの日は、接骨院にマッサージで、えらい散財しました」と苦笑いだった。一方、大名・名和好臣役の北村は、「僕は上から『映画って大変だな』って(笑)」と高みの見物。大泉からは「北村さんが『よくやるね~。おれはやらないよ』って」と現場でのやり取りが明かされた。
遊女を演じる松本は、「気づかいを気づかせない方。心で助けていただいた」と2度目の映画共演となる大泉の座長ぶりに感謝。棒術の達人役の柄本は、「時代劇は日本の宝。京都の撮影所で撮れたのも、本当に幸せでした。絶対にヒットさせなくてはなりません!」と闘志を燃やしていた。
「室町無頼」は2025年1月17日から、全国で公開される。
【「室町無頼」出演者/役名と役どころ】
●大泉洋/蓮田兵衛(はすだひょうえ)
己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぎ、ひそかに倒幕と世直しの野望を抱く無頼漢。腐り切った幕府を倒し、古き世を終わらせようと画策。ゆえに、自ら「捨て石」となろうとする剣の達人。
●長尾謙杜/才蔵(さいぞう)
天涯孤独の身で、自己流の棒術で生計を立てた極貧生活を送る。兵衛に出会い、地獄さながらの修行を経て、超人的な棒術を身に着ける。
●北村一輝/名和好臣(なわよしおみ)
足利義政に仕える有力大名。困窮している民を横目に、贅沢な暮らしを送る。
●堤真一/骨皮道賢(ほねかわどうけん)
300人もの荒くれ者を抱え、幕府から京の治安維持と取り締まりを任された悪党一味の首領。兵衛とは腐れ縁。
●松本若菜/芳王子(ほおうじ)
高級遊女。かつては道賢、いまは兵衛の思い女で、ふたりの間を取り持つ。
●柄本明/唐崎(からさき)の老人
一見ヨボヨボのジジイだが、棒術の達人。兵衛と才蔵の師匠。
なお、上記キャストに加えて、遠藤雄弥、前野朋哉、阿見201、般若、武田梨奈、水澤紳吾、岩永丞威、吉本実憂、土平ドンペイ、稲荷卓央、芹澤興人、中村蒼、矢島健一、三宅弘城の出演も発表された。
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2024-02-11 09:04:48Z
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