俳優・伊藤沙莉さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」が1日から始まった。初回放送から、あるロケ地がネット上で話題になっている。
ドラマは日本初の女性弁護士で、後に裁判官を務めた三淵嘉子(1914~84年)がモデル。伊藤さん演じる猪爪寅子が、世の中の荒波と戦いながら成長していく姿を描く。
物語の舞台の一つとして東京地裁が初回からたびたび登場する。この地裁の庁舎について、放送を見た人がSNS上で「朝ドラの裁判所の建物って名古屋の市政資料館だよね?!」「名古屋の市政資料館やん!見たことある階段やと思ったら」など多数の書き込みで話題に。他にも寅子が通う大学校舎についても「校舎ロケ地がめっちゃ名古屋市役所に似てるなあ」「明律大学の廊下、名古屋市役所かな…?」などと投稿された。
米津玄師さんが歌うドラマ主題歌が流れる際に表示されるテロップの撮影協力に「名古屋市」が入っているが、ロケ地の記載はない。市総務課に尋ねると「確かにドラマの大学校舎は市役所本庁舎が活用されています」とのこと。ロケをコーディネートした名古屋市の外郭団体「なごや・ロケーション・ナビ」によると、昨年12月に2週間、今年2月に1週間、名古屋を含む愛知県内でロケを実施。市政資料館は東京地裁、名古屋市昭和区の鶴舞公園は東京地裁前の日比谷公園として初回放送冒頭から登場した。やはり名古屋がロケ地になっていたのだ。
市や同ナビによると、市役所や市政資料館については、これまでもNHKの「白洲次郎」「坂の上の雲」や、昨年話題になったTBSドラマ「VIVANT」などでロケ現場となったことがある。一方、NHKの朝ドラは今回初めてロケ地になった。
朝ドラ受けでも話題に
物語で描かれる東京地裁について、9日の放送後「あさイチ」内の“朝ドラ受け”でお笑いコンビ「博多華丸・大吉」の博多大吉さんが「裁判所がセットなのか実在の建物なのか気になって話が後半入ってこなかった。でもあの光景見覚えあるような」と注目していた。
実は東京地裁の舞台となった市政資料館は22年から79年までは名古屋高裁・地裁として実際に使われていた。さらに三淵も女性初の判事として52~56年、当時は名古屋地裁だった市政資料館で勤務していた。
館内は現在、ドラマのポスターが複数貼られ「伊藤沙莉さん、松山ケンイチさん、岩田剛典さん、平岩紙さんなどたくさんの俳優さんがいらっしゃいました」と紹介。館内にキャストのサイン色紙も展示する予定だ。川口輝佳副館長は「ドラマが始まってから反響が大きく、来館者から『ここがドラマのロケ地ですか』とよく聞かれる。大変光栄でありがたい」と話す。
物語は昭和初期から始まるが、NHK広報担当は取材に「市政資料館は大正時代に建てられた実際の裁判所で、戦前の裁判所のロケ地として最適だった。名古屋で勤務した三淵さんとのご縁も感じている」と説明する。
聖地巡礼に期待
SNSでは他にも「虎に翼の聖地が名古屋にあるなら、いつかまた名古屋行けたら見に行きたいなあ……」「#虎に翼の裁判所って実在する建物なのか気になって検索したら名古屋なんだね」などの書き込みが多数見られる。
資料館を訪れた名古屋市守山区の猿谷紀子さん(60)は「ドラマを見ていて『ここだ』と分かった。朝ドラが大好きなので舞台になってうれしい。市役所も見てきました」と喜んでいた。
市観光推進課の担当者は「ドラマを機に、聖地巡礼として多くの観光客が名古屋に来てくれたらうれしい。今後の展開に注目したい」と期待している。【川瀬慎一朗】
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2024-04-11 23:10:00Z
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