サザンオールスターズが30日、宮城セキスイハイムスーパーアリーナで、デビュー40周年を締めくくるサザンオールスターズLIVE TOUR 2019「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」ツアー初日を開催した。ツアー中には新元号に改元となる。時代は変わっても東日本大震災を忘れない。そんな思いを込め、宮城をツアースタートの地に選んだ。

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宮城は思い入れのある地だった。同会場は、11年の東日本大震災で使用不可能となった。だが11年9月、ライブ会場として復活させたのは桑田佳祐(63)だった。当時のライブは、桑田にとっても食道がんの手術を経て復帰以降、初のライブだった。また、活動休止から復活したサザンとしても、13年の野外ツアー最終公演の地に宮城スタジアムを選んでいた。

「東北!宮城!元気かい! また帰ってきたよ! 待っていてくれた!」。桑田の呼びかけに会場は大歓声となった。「東北が一番好き。ほかはどうでもいい!」と笑いながら続けた。「ツアー初日は緊張するもの。どうなるかわからないからね。初日が宮城でよかった」に会場からは拍手が起こった。

「壮年JUMP」ではバックビジョンに「再会の日 宮城へ帰ってきたよ」「みんなの笑顔に会いたくてセキスイハイムスーパーアリーナにやってきた」のメッセージを掲げるとともに歌詞を替えて実際に歌い、会場を大歓声と拍手に包んだ。

昨年6月25日、デビュー40周年を迎えた。8月には13年ぶりの野外フェス出演、12月には35年ぶりとなるNHK紅白歌合戦出演などで日本中を席巻してきた。そんなメモリアルイヤーを締めくくるのが6大ドームを含む今回のツアーだ。6大ドーム公演はサザン史上初で、ツアー合計50万人の動員が見込まれる。ツアー中には新元号も発表される。昭和、平成、そして新元号の3時代をまたぎ、未来へと向かう。

この日、「まだレコーディングしていないのですが、この曲を宮城から育てていければと思います」と新曲「愛はスローにちょっとずつ(仮)」を披露など、約3時間半で全36曲を熱演した。宮城は気温1度。外は雪模様だったが、雪も溶かし、東北に春を呼ぶ熱気で約9000人を魅了した。【川田和博】